更年期との向き合い方 <後半>

はじめに

それでは、更年期のホルモン療法について

後半戦です😊

ここでは、ホルモン療法を行うにあたって注意すべきこと

副作用、ホルモン療法が行えない場合等について

お話をしていきます。

ホルモン療法のマイナートラブル

ホルモン補充療法を始めると、マイナートラブルを自覚することがあります。

 

例えば、吐き気・胃のむかつきです。

ホルモン製剤は一般的に、このような消化管の症状が多いと言われています。

飲み薬を使用しているときに多い傾向があります。

 

また、不正性器出血も頻度が高いです。

使用し続けると、その後症状は消えることが多いので

子宮がんなど、悪性の病気による不正出血でないことが確認できれば

経過観察していて大丈夫です。

貼り薬・塗り薬で起こることのある皮膚のかぶれ・湿疹や

胸の張り・痛みが生じることもあります。

 

ほとんどが一時的な症状ですが

気になる場合には、担当の先生に相談をしましょう。

ホルモン補充療法中、特に注意するべきこと

副作用で特に注意をしなければならないのは

重篤なアレルギー症状血栓症状です。

重篤なアレルギー症状は、アナフィラキシー症状ともいいます。

頻度は少ないですが、血圧が下がってしまうことで

気分不快や息苦しさを感じたり、意識を失ったりすることがあります。

 

この症状は、ホルモン剤に限らず

様々な薬や食べ物などで生じる可能性があります。

 

また、ホルモン剤を使うと、血管内に血栓ができやすくなる場合があります。

例えば、足に血栓ができると

片方の足が腫れたり、触ると激痛を感じたり、青や紫に変色する事もあります。

 

このような症状が現れた場合は、すぐに薬を中止して

処方された病院に、直ちに問い合わせましょう。

ホルモン補充療法ができない人

現在の病気や状態、過去にかかった病気などによっては

ホルモン補充療法ができない場合があります。

 

例えば、現在乳がんが疑われていたり、診断を受けている方や

過去に乳がんを患ったことがある方は

乳がんの再発や増悪のリスクがあることから

ホルモン補充療法はできません。

 

同様の理由で

子宮体がんの疑いがある人、子宮体がんの診断を受けた人もできません。

(※子宮体がん治療後の方は、条件によってはホルモン補充療法が行える場合があります)

 

また、ホルモン療法を行うと血栓ができやすくなる場合があるため

静脈血栓症の方、それが疑われる方、過去に静脈血栓症となったことがある方や

心臓や脳の血管の病気(例えば心筋梗塞や脳梗塞など)の既往がある方もできません。

 

そしてもちろん、妊娠中には使えません!

ホルモン補充療法ができない場合はどうするの?

年齢や体質、持病などを考えて

ホルモン補充療法ができない方もいらっしゃるでしょう。

 

ホルモン補充療法は更年期症状の治療の一つに過ぎません。

運動、食事、そして心身ともにリラックスすること。

これが、更年期症状を改善するために大切なことです。

 

また、全身の体質改善を目的に漢方を使用したり

サプリなどで日々の食事のサポートを行うことも良いと思います。

さいごに

ホルモン補充療法は、女性の生活の質を高めるのに役立ちます。

 

注意事項や、副作用もあるので

担当の先生と定期的に相談した上で

ご自身にとっての最善の使い方を見つけていきましょう。

 

また、適切な食事、運動、気分転換を合わせることで

さらに効果が高まることはいうまでもありません。

 

更年期というのは

改めて自分自身の体や心を見つめ直す良い機会だと思います。

 

不調が現れ始めたら

それは自分自身からのサインだと思って

生活習慣、働き方など、ご自身を振り返ってみてくださいね。

 

自分自身を大切に。

 

私は、世の中の女性に

ぜひそうしていただきたいと、切に願っています。

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Eriko.0
産婦人科専門医であり、主に10代〜50代の年齢によって変化する女性の心と体の悩みの相談・治療に携わる。診療以外にもYouTubeチャンネル『産婦人科医 おいたえりこ』で情報発信を行い、動画内に寄せられたコメントには全て個別に対応している。また、ジャズシンガーとして都内や宇都宮を拠点に精力的に演奏し、そのライブ収益の一部は母子支援団体やボタンティア団体に寄付している。